「ちょお、ごめん。」
小さくそう言って、薫は席を立った。
俺を振り返らない。
俺も追い掛けない。
ドアが静かに閉まる。
煙草に火を点ける。
何を考えるでもなく、1本吸いきる。
煙草を灰皿に押し付けて、立ち上がる。
数分前に、薫が通り抜けたドアを、俺も通り抜ける。
ゆっくりと、薫がいるであろう場所へ向かう。
そこに行くと、待ってたと言わんばかりの顔の薫。
「どーしたい?」
聞くと、胸倉を掴まれた。
近くなる、薫と俺の距離。
「……」
「……」
離れた唇。
「こーしたかった。」
言って、ニヤリと不敵に笑う。
この顔が好きだと思う。
いや、この顔も、か。
「あー、スッキリした。ありがとーな。」
「どーいたしまして。」
一人ずつバラバラに来た道を、今度は二人一緒に戻る。
「あ、」
途中、薫が立ち止まって、俺を振り返る。
「なに?」
「大好きやで、堕威ちゃん。」
屈託ない笑顔で言い放って、また歩き出した薫。
言われたまま動けない俺。
自然と顔が綻ぶのを止められない。
「俺もやでー。」
小さく呟いて、広がった薫との距離を埋めた。
fin...
‐‐‐‐あとがき‐‐‐‐
薫が堕威さんの胸倉掴んで、自分からチューするのが書きたかっただけの話(笑)
堕威さんとのチューは薫にとってヒーリングって事で(笑)
お粗末でした。
- 2009/01/14(水) 15:49:28|
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